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元祖おみやげ餃子、大阪北新地 「点天」 [餃子お取り寄せ日記。]

点天包みと生.jpg点天袋.jpg
高松の天満屋の「京都・大阪展」で、ひとくち餃子で有名な「点天」が販売されているというので、
ドン・タニシ、早速調達に行く。
「点天」の餃子はもちろん食べたことがあったのだが、高松で買えるのならこの機に
買ってみようということに。たまにはよそさまの餃子も食べてみたくなるのだ。

「点天」と言えば、それまで庶民の食べ物というイメージであった餃子を
お土産という位置づけにお見事に格上げしてくれた立役者である。
お寿司を入れるような木箱に、本当にひとくちで食べられるかわいらしい餃子。
ブルーに白文字で「点天」と書かれたシンプルで上品な包装。
垢ぬけない餃子君をすっかり伊達男にしてくれた名監督なのである。

不図、紙袋を見ると「餃子おみやげ専門店」とある。
このキャッチコピーははじめてお目にかかる。包装紙には従来通り「大阪北新地」の文字。
なんと残念なことに昨年8月に創業の北新地店が閉店したらしい。
現存するイートイン店は東京のFプラザ麻布十番店のみというのだ。
今となっては、いつぞやたかちゃんと探しに探して北新地店に食べに行ったことが懐か懐かしい。
完全におみやげ餃子専門になったようだ。特徴を出して何かに徹することはとても大事
だけど、イートイン店が大阪に1店もなくなってしまったというのは、寂しい。
点天焼くぜ、ベイベー。.jpg
何はともあれ、焼くぞ。とドン・タニシ。
オンラインショップとは1ケースの個数が違うみたい。
ネットだと45個入りが2100円なんだけど、天満屋で買ってきたのは30個入り1390円。
「四角家餃子本舗」の餃子もひとくちなので決して
大きくはないが、「点天」はほんとに小さくて
かわいらしい。
これなら子供の口でもひとくちでいける。
ちなみに体重を計ってみると9グラム。
そりゃ小さいわ。
「四角家」の「珍包(ちんぱお)」君は17グラム。
しかも「珍包」より皮が厚いので
バランス的に皮とあんが8:2
(あくまでも食べたイメージ)という感じ。
ドン・タニシ、当然、餃子を焼くのはお手のもの。
よそさまの餃子でも説明書を読んだ上で、店の鉄板と火力を加味して
職人の感でその餃子のベスト状態に焼きあげていく。
さすが、鉄板王子。
タニシ  「あののー、何にでも王子ってつけるんはどうかと思うわ」
はい、できあがり。
点天生.jpg点天焼き.jpg
点天ランチ.jpgひとくちでポイッと食べてみる。
皮がガリッとして、スパイシーなあんが口のなかに広がる。
上等なスナック菓子のよう。
これはごはんのおかずではないな。
酒のつまみにもってこい。
ポイッと口に入ってとまらない。
上品な和皿にお行儀よく10個くらい並べて出せば、
なんて粋なおつまみだろう。残念ながら
昼からビールを飲むわけにもいかず、
「四角家」ではごはんに豆腐とワカメの味噌汁を
すすりつつ「点天」をつまんだのだった。
さらに、ほうれん草のサラダとこんにゃくの煮物。
今日も健康的?なまかないであった。

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4つめのランチスポット発見! [ドン・タニシの香川るんるんグルメ日記]

この日のランチ.jpg
●超ヘルシー! 一汁七菜ランチ 700円 ドリンクはプラス100円

丸亀町の「亀戸水神市場」が閉店してそろそろ1年。
近くでちょいと新鮮野菜を調達するのに便利だったのに、閉店してしまった。
新しくできた「春日水神市場」は遠すぎる。春には丸亀町の北の方にリニューアル
オープンすると聞いたのが去年の春。まだかまだかと待っているうちに夏にオープンと噂が流れ、
そのうち噂は秋のオープンに・・・。
待った、待った、ほんとに待ちましたよ。
近くで新鮮な野菜が調達できるとこ、やっとオープンしたので行ってきました。
しかも、ずいぶんと洗練されて2階はランチもいただけるカフェに。
早速、ランチに出かける。

1階はなるべく農薬に頼らない農家さん直送の野菜とお弁当、こだわりの食材が並ぶ。
雑穀ご飯のおにぎりや家庭的な総菜。
野菜が多くて健康的なメニューがドン・タニシのココロをわしづかみにする。
タニシ 「「え~の~、え~の~。健康的やの~」

野菜正面から.jpg魚弁当.jpg 肉弁当.jpg
コロッケ.jpg 上の左が肉弁当、右が魚弁当。
 おかずとおにぎりは日によって変わ
 る。いずれも450円。量はかなり少
 なめだけれど、バランスのいいおか
 ずがちょこちょこ入ってる。肉、野菜
 コロッケ各120円。
 
キマコ食べる.jpgカフェは2階。上に上がる階段は少々急な階段だ。
ご年配の方にはやさしくないが、これはこれで健康的。
カフェはセルフスタイルで階段を上ったところに
カウンターがあり、ここでまずオーダーしてお会計。
ランチは1種類のみで700円。
ワンプレートの日替わりの一汁七菜ランチだ。
ご飯は12種雑穀米で大も可。ただ、大と言っても
プレートの1コーナーにのる範囲なので決して
多くはない。でも、何がうれしいっておかずの種類が
多いこと! 野菜がたくさん食べられること! 
しかも一つ一つ手作りが伝わるていねいなおかず。
この日はブロッコリーやニンジンの含め煮に
まんばのけんちゃん、タラ南蛮、鶏肉の照り焼き、
ほうれん草や水菜のサラダにかぶ柚子に黒豆に味噌汁。
しかも味付けも濃すぎず、薄すぎず、なかなかうまい。
この量ならケーキも食べられると、ロールケーキとコーヒーを注文。
ケーキは200円から4種くらいある。いずれも同じ経営のカステラ屋「ボーク・ド・ボヌー」
のもの。ケーキ屋とは違う、素朴で素材の味や香りがストレートに感じられる
カステラやロールケーキが人気のお店だ。ちなみにロールケーキは350円。
我々、昼ご飯と言えば「ふみや鍛冶屋町店」「明石家」「城の眼」が我々のヘビーローテーション
なのだが、ここ「NATURAL STYLE」がめでたく「四角家」ローテーションに昇格。
量こそ少ないけれど、煮物や酢の物など栄養のバランスもいい和のおかずが
たくさん食べられるとあって、食事にうるさいベジタリアン・タニシも
いたくお気にいったのであった。
ナチュラルスタイル店内.jpgロールケーキ.jpgナチュラルスタイル外観.jpg
NAYURAL STYLE
   住所●高松市丸亀町14-4 弐番街1号館1F・2F
電話番号●087-813-0237
営業時間●10:00~20:00
       ランチタイム11:00~14:00、カフェタイム14:00~18:00

つららが.jpg氷詰めのメダカ君.jpg
  【 メダカ凍死の危機! 】  
しかし、このところ寒かった。
僕んちの池が凍ってしまって、死ぬかと思った。
昼に出勤してきたキマコさんが、池を見て声を上げる。
キマコ  「ひやあ~! つららが~。うわっ! 
       ジュリーが凍っとる! 」
小さい石で氷をたたく。割れない。
大きい石でごん! 割れた。
キマコ  「うわー、1センチもある。ジュリー! 
       生きてる? もしもしー! 大丈夫~?」
声は聞こえるけれど、寒すぎで動けない。声も出ない。
遭難から救出された時ってきっとこんな気分なんだ。意識が朦朧としている。
キマコ  「反応はないけど、死んではないみたい。すごいなー、メダカって。
       凍ってても生きとんやー。ちょっと感動」
感動している場合ではない。僕は死にかけたんだぞ!
寒いのは苦手だ。ただ今、冬眠中。
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四角家のお正月。

ドン・タニシたいやきをほおばる.jpg 「四角家」 がオープンしてから、3回目の1月。
今年は「焼豚ロール」の発売準備で年末から
バタバタしていた。
実際、正月どころではなかったのだが、
オンラインショップも開通し、やっと
四角家にも正月が来たのだ。
というわけで、久しぶりに(でもないけど)
大阪に行ってきた。
たかちゃんと焼豚ロールの打合せもあったし、
できあがったばかりのシールも持っていかな
ければならない。いざ、カブトムシ号、出動!
焼豚シール.jpgちょうど高速道路の休日料金
最後の日、車が多い。
パーキングエリアなぞ、
人がいっぱいで祭りのようだ。

それでも淡路までは渋滞することもなかったが、
さすがに須磨あたりから詰まりだした。
タニシ  「やっぱり今日も南京町は人気やのー」
キマコ  「南京町のお正月は旧暦だから2月のはずなのにねー」
「四角家」の世界は南京町を中心に回っている。
泣く泣く神戸を素通りして尼崎の工場へ急ぐ。

ちょっと時間がかかったけど、もうドン・タニシも慣れた道。
工場に到着だ。しおちゃんが忙しそうに作業をしていた。いつもの和む笑顔だ。
まずはシールを渡した後、たかちゃんも一緒に十三の「鯛光堂本店」へ。
この日は休みだったけど、コータローさんやさとちゃん、そして最近入った新人君が集まっていた。
ここで始めるとんかつ弁当のデリバリー店のため、トレーニングをしていたのだ。
オープンを控えて不安要素がないようにと、電話の応対や配送のロールプレイングまで
念入りなトレーニングが印象的だった。

コータローさんがたかちゃんの会社「桃源郷」に入ってからというもの、
とにかく展開が早い。知らない間にいろんなことが進んでいる。
いつの間にか「鯛光堂」の3店舗目「鯛光堂野田店」がオープンしていた。
早速、野田店へ行く。
たいやき焼くリョウさん.jpg鯛光堂野田店.jpg鯛光堂野田店のリョウさん.jpg
JR野田駅と阪神野田駅の中間くらい。道の分岐ポイントにあった。
この店を仕切るのはリョウさん。黒ぶちメガネが似合うナイスガイだ。
「鯛光堂」は「十三本店」「塚口店」「野田店」と現在3店舗あるが、
実はたいやき焼き歴はリョウさんが一番長い。さすが、既に近所のおばあちゃんから
会社帰りのサラリーマンまでがっちりファンをつかんでいるみたいである。
手際良く焼かれた焼き立てを道端でいただいた。
やっぱり焼き立ては格別うまい。皮はパリッ、でも中はモチッとして、あんこはトロッ。
うまい! 近くにあったらいいなあ、こんな店。
ちなみに、年末にホームページが立ち上がった。オンラインショップはまだ開通してないけど、
冷凍たいやきの全国発送はできるので、食べてみたい方は問い合わせてみてください。
おいしいよ。
  「鯛光堂野田店」
    住所●大阪市福島区吉野2-8-7
 電話番号●06-6447-1280
 営業時間●11:00~17:30 ※生地がなくなり次第、閉店 
   定休日● 水曜日  

再び、十三に戻り、デニーズでミーティング。
こういうとき、ファミレスはメニューも豊富だし、テーブルが広くていい。
「焼豚ロール」の商品作りの再確認と今後のスケジュール。
新しい商品の開発について。
未来のあるミーティングは実に楽しいものだ。焼豚ロール完成図.jpg

こうして「四角家」は2011年の新しいステージへ登り始めた。
「焼豚ロール」君は生まれたばかり。
成長楽しみなヤツなのだ。
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第5章 ロールケーキみたいな焼豚 「焼豚ロール」本日発売! [「焼豚ロール」開発物語]

焼豚ロール完成図.jpg
 「焼豚ロール」   650グラム 4900円  タレ付

お待たせしました。「焼豚ロール」、本日発売です。
スッタモンダあったけど「四角家」らしい、いいものができました。
全国津々浦々、いろんなおいしい焼豚があると思うけど、
味、形、すべてにおいてこだわった究極の逸品です。
お肉屋さんの焼豚と値段だけ比べると少しばかり高く感じるかもしれませんが、
専門の料理人が厳選した素材で手間をかけて作りあげた逸品、
実際に食べていただけると、むしろかなりおさえた価格であることがおわかりいただけると
思います。ドン・タニシ、まずはこの自信作を食べていただきたいと
内容からすると破格の5000円切りを設定しました。

【焼豚ロールの特徴】
オードブル.jpg
1.どこを切っても断面が渦巻き模様。
●カットした断面が美しいので、皿に並べる
だけでそのままオードブルになります。
おもてなしのテーブルにおすすめです。

●赤身と脂身がバランスよく層になっている
ので、脂身が苦手な方もあまり脂っこさを
感じず、柔らかくおいしくいただけます。

●豚肉の自然な層を活かすため、1頭の豚から
6個だけという贅沢なカッティングにより
全面渦巻きが実現しました。

2.秘伝のタレを使った二度炊き仕上げ
●手間をかけて二度炊きすることで、肉がより柔らかくなっています。

●余分な脂がかなり落ちているのであっさりとお召し上がりいただけます。

●職人が30年継ぎ足し続けて使っている秘伝のタレで仕上げることで
ローストしたような独特の風味が味わえます。
飽きのこない上品な深い味が魅力の大人の焼豚です。
 
3.職人の手によるていねいな仕事
●素材選びから肉のカット、巻き、二度炊きまで専門の職人による手仕事です。
そのすべてに職人の技と配慮が行き渡った究極の焼豚故、
1日に出荷できるのは6個のみ。大切な方への贈り物としても最適です。

【試食エピソード】
たまたまグッドタイミングできた、某新聞社のO西さんに試食してもらった。
ちなみに彼女、なかなかの食通でウワバミ。
気がよくつく才女だが、下手なお世辞を言ったりせず、
何でもはっきり言ってくれるので感想を聞いてみた。
O西さん 「おいしー。私、脂身の部分はどちらかというと苦手なんですけど、これはおいしー。
       脂の部分が固まってなくて赤身と薄い層になってるから脂身がきにならないですぅ。
       これ贈答にしたいな。おいしいです。あー、ビール欲し。」
ドン・タニシがこだわった赤身と脂身の層が、見た目だけでなく味でも表現できてたみたい。

【パンフレットなど制作物協力】
中山さん.jpg安藤さん.jpg
●デザイナーのN山さんとカメラマンのA藤ジローさん。

12月のお忙しい中、パンフレットなどの印刷物ツールをデザインしてくれたN山さん、
何度も写真を撮りに来てもらったA藤ジローさん、ありがとうございました。

こうして、皆様の協力のもと、やっと「焼豚ロール」が完成しました。
オンラインショップもしばらく工事中でしたが、やっと今日から商品が購入できるようになりました。
同時に、餃子の方も個数と値段、パッケージもリニューアルしています。
新しい商品、これからも開発していきますので、今後の「四角家」をお楽しみに。


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第4章 問題発生! 美しいロールへの厳しい道。 [「焼豚ロール」開発物語]

焼豚1イメージ.jpg
「焼豚ロール」の2011年1月発売に向けて、我々は商品の味や形はもちろんのこと、
パッケージや販売価格の決定、パンフレットの作り替えなども同時に進めてきた。
時は12月の忘年会シーズン。仕込みの合間を縫って、パンフレットの原稿制作や撮影。
ようやく年内にすべてが揃い、1月早々、センセーショナルに販売をスタートするはずだった。
焼豚断面.jpg
「断面がロールでない」
キマコさんの何気ないこの一言で、事態は一転する。
工場から持ち帰った焼豚を端からカットしていたキマコさん、ロールという言葉の解釈に
はじめて疑問を持った。
端から1センチくらいの厚さで5、6枚カットする。
今までカットしたときのようなくるんとした模様が出てこなかった。
8枚目あたりからようやくくるんとした模様が出てきた。
くるんとした断面は、豚バラ肉をロール状に巻きこんだときに肉の赤身と脂身の白い部分が
きれいに層になることによりできる。豚バラの焼豚ならではの特徴だ。
しかしながら、これは自然の肉故、必ずしも赤と白の層が一定ではない。
その時の肉によっても違うし、同じ豚バラでも使う部分によって違う。
どこを切っても金太郎というわけにはいかないのだ。当然すべてがロールケーキのように
均一ではないわけだから、むしろくるんとした渦巻き模様ができることが偶然の産物なのだ。
カットしなくても、外観はロールと言えばロールだ。
断面もロールであることが求められるのか?
タニシ  「肉は自然のものやからのう。金太郎飴みたいなわけにはいかんやろ」
キマコ  「そうですね。但し書きをつけましょうか。作る側からするとあたりまえなんですけど、
       ロールケーキみたいな焼豚と思って買った人が、切ってみて
       そうでなかったら、自然のものとはいえがっかりしないかなあ」
「焼豚ロール」は「ロールケーキみたいな焼豚」がコンセプト。
端の方はしょうがないにしてもできるだけ断面の渦巻きをキープする肉のとり方ってできないものか。
再び職人たかちゃんと相談。
これが口で言うほど簡単なことではなかった。
赤身と白い脂身をそれぞれカットして合板みたいな作り方は職人として納得がいかない。
肉だって赤身と脂身のバランスがいい、いい肉だ。
職人としては肉本来の美しい層を生かしたい。
試行錯誤の上、やっとできたのがコレ。
ずんぐりむっくり君.jpg焼豚ロール切り株.jpg
重量はほとんど同じだが、形がずいぶん変わった。
太く短く。早速切ってみると、端っこから渦巻き状態が維持されている。
おお! すごい。断面がすべてくるんとした渦巻き模様だ。
ちょっと太めだが、最近のロールケーキは太めの巻きが多いからこの形もありか。

自然の肉の層を生かすために、職人は大胆なカッティングを試みた。
あまりにも贅沢すぎる肉のとり方。
このカットで「焼豚ロール」を作ると、なんと1頭の豚から6個しかとれないという。
lこんなに手間がかかってロスなやり方は普通誰もしない。
となると、おのずと現在想定している単価で売ることはできなくなる。
肉の質は下げたくない。
だけど。安くてそれなりにおいしい焼豚なら、たいてい近所の肉屋さんに行けばある。
「四角家」が作るなら、焼豚も唯一無二のものを作りたい。
「焼豚ロール」でなければいけない、そんな完全なるものを、僕らは作りたかった。

これでいくとなると、さらに問題が生じてくる。
パンフレット用の写真はすでに以前の形で撮っていた。
形がずいぶん変わっているので前の写真は使えない。すぐにカメラマンを手配して撮影する。
12月中のパンフレット制作に間に合うのか。発売予定が怪しくなってきた。

早速食べてみる。
タニシ  「どんなで、メダカ君?」
うまいです。こんなに太いのにさらに柔らかくなってる。
ほんとにうまい。食べ応えあります。
タニシ  「キマコ君は?」
キマコ  「・・・」
タニシ  「なんや?」
キマコ  「前のより柔らかいし、高級感もあって、断面も端から端まで渦巻いてて・・・。
      味も申し分ないんだけど・・・なんか・・・なんか思ったほどの感動がない・・・」
このキマコさんの心ない言葉にボスは激怒する。
タニシ  「あの寒い工場で、一人こっちのわがままに何度も作りなおして、たかちゃんが一生懸命
       いい仕事をしてくれてるのに、感動がないとはどういうことや!」
キマコ  「・・・」
ここへきて、プロジェクトチームに致命的な亀裂が入ってしまった。
僕は小さな池の中でただピチピチするしかなかった。

実際、何が心を突き動かさなかったのか、キマコさん自身にもこのときはわからなかった。
工場でたかちゃんが一つ一つ、どれだけ手間をかけて「焼豚ロール」を作っているか、
彼女も見たはずだ。なのになぜ・・・?
キマコ  「すいません。一晩だけ時間をください。何が自分の中でひっかかるのか、一晩考えて、
       明日社長(たかちゃん)に相談して必ず解決します」
これまで、ドン・タニシは1月早々の発売に向けて、必死でさまざまなスケジュールを調整してきた。
これで、パンフレットの年内アップは完全になくなった。
パンフレットどころか、「焼豚ロール」の発売すら雲行きが怪しくなってきた。

翌日、たかちゃんに電話をするキマコさん。
キマコ    「何度も何度も無理を言ってすいません。前よりさらに柔らかくて、渦も巻いてて、
         味は本当に申し分ないんです。でも何かもう一つインパクトに欠けるというか・・・
         最後にもうひとつだけわがまま言っていいですか?」
たかちゃん 「妥協はいかんで。妥協したら絶対いかん」
そう言って、たかちゃんはキマコさんの話を聞いて一つ一つ技術的な改善策を提案してくれた。
電話の後、その言葉に申し訳ないのとありがたい気持ちで、ボロボロ涙があふれるキマコさん。
仕事に対して、食材に対して、そして人に対してもいつも一生懸命、誠実に対応するたかちゃん。
それが作るものにも表れている。だからこそ、こちらも本気で対応しなければ。
人を感動させるものを作ることは、本当に難しい。

3日後、たかちゃんから新しい「焼豚ロール」が届いた。
箱から開けるなり、ドン・タニシから感嘆の言葉がこぼれた。
タニシ  「おー。きれーな形やのー」
焼豚ロール完成図.jpg

今回のは前回のより細長いが、最初のより短い。
その端正な形に、カットする前から気に入っていたドン・タニシ。再々度カメラマンを手配。
カットしてみる。外観もスタイリッシュだが、中の渦巻きもきれいだった。
どこを切っても金太郎のように模様が一定ではないけれど、最初から最後まで
どこを切ってもくるんと渦を巻いている。こんな焼豚は見たことない。

お取り寄せの商品というのは、味や品質はもちろんだけれど、
ある種のサプライズが求められる。
前回の太巻きのときも、どこを切っても渦巻きだった。
もうほとんどそれで十分だったのだけれど、そこは肉を1周以上くるんと巻くことの難しさ。
肉を炊くと赤身が縮んでロールの真ん中や巻く途中に隙間ができてしまう。
当然そこにタレが染み込むから茶色くなる。それはそれで切り株のような感じで
おいしそうなのだけど少しワイルドな印象。
見た目にはちょっとしたことだけれど、この美しいロールを作るために
職人は肉を平らに成形し、さらに力を込めてていねいにていねいにひもで巻いた。

「ロールケーキ」のようなハッとする美しさ。
キマコさんがあのときうまく言えなかったけど、ほんのちょっと足りない何か・・・はコレだった。

「焼豚ロール」が、完成した。


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プレモルバナー.jpg
本場さぬきうどんは合田照一商店
四角い餃子を注文する

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