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第7章 「牛包(にゅうぱお)」の誕生。 [四角餃子開発物語]

「四角家餃子本舗」がオープンして1年が過ぎた。

タニシ 「4種ゆうのは数が悪いことないか?」
キマコ 「どうでしょう?」
タニシ 「餃子を5種類しよう。これで打ち止め! これまで使ってない食材はなんや?」
キマコ 「豚、鶏、鴨、海老。餃子になりそうなのはもう使っちゃいましたよ。残すは牛ですか」

かくして牛肉の餃子プロジェクトが始まった。
牛肉と合わせる野菜は? これまで使ってない野菜は何だ? そして相性がいいのは?
候補に挙がったのは、白菜、大根、ごぼう、春菊、じゃがいも、セロリ、玉ネギなど。
ただ、ごぼうと玉ネギは山包でサブ野菜として使っている。
キマコさんとしては当初ごぼうを使いたかった。なぜなら、ごぼうは「牛蒡」と書くからだ。
牛を使って牛包だと単純すぎるけど、牛蒡から一字もらうならありじゃないか。
ごぼうで作ってみる。ごぼうと牛は相性はいいけど、あんにするにはもうひとつ野菜を加える
必要がある。マッシュポテトのイメージでじゃがいもを入れる。これも合わなくはないけど
タニシの好みではなかった。ほかのもいろいろ試したがいまひとつ決定力に欠けた。

最終的に残ったのは、大根と春菊。
牛肉は豚や鶏よりも肉を主張する。この強い個性とうまくやっていける助演女優が必要だった。
実際、春菊はいい仕事をした。あの独特の香りと青菜感は今までのどの餃子とも違う。
2人とも春菊は大好きだったので、春菊の餃子は是非作りたかった。病みつき度も高い。
しかし、逆にあの香りが嫌いな人も多いことは否めない。大いに迷った。
結局、春菊は断念することになる。完全に主役を食っていたのだ。
地味な大根は牛肉を立てた。しかも牛肉と調和して自分もいい演技を魅せた。
ペアは大根に決まったが、大根をどう入れるか悩んだ。
みじん切りにしたり、千切りにしたり、おろしたり、はたまた切干大根を使ったり。
しっくりきたのはおろしだったが、食感も欲しい。日々の実験は続く。

牛包の相談もあり、我々はたかちゃんに会いに行く。
ちょうど大阪で餃子のイベントもあった。そこで他県の牛肉の餃子が売られていた。
たかちゃん「参考までに食べてみる? △△牛だって」
タニシ   「食べよう、食べよう」
鶏や豚とは違う牛独特の香り、いや臭み。ちょっと嫌な香りがあった。
たかちゃん「肉の臭みが残るような処理はしないから安心して」
素材選びはもちろんだけれど、どんな食材も下処理には手を抜かない人だ。
食感を出すことにアイデアがつきたキマコさんに
「大根葉入れたら?」とたかちゃん。目からうろこだった。
肉の部位や処理はたかちゃんにおまかせ。現在のイメージを伝えて、あんを完成してもらう。

国産黒毛和牛のモモ肉に上質の牛脂と牛骨スープを練りこんだあん。
これにおろし大根と大根葉を加える。 豚肉とは明らかに違う、牛肉独特の甘み、深みがあり、
なんともジューシー。粗引きのブラックペッパーがアクセントになっている。
ポン酢醤油でいただくと、そう、肉をおろしポン酢醤油でいただいているような。
「牛包(にゅうぱお)」が完成した。

牛包焼面250.jpg牛包断面250.jpg

当時、この新餃子発売間近のブログを書いたせいか発売もしていないのに、
某テレビ局と雑誌から取材のオファーが入った。せっかくなのでその番組の放送日から
発売することにした。幸先のいい牛包のデビューであった。

次回、ご当地餃子「鍛冶屋町ひとくち餃子」の誕生。
タグ:牛包
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