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プレモルのバイブル。 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

「四角家」が超達人店になってから、プレモルのバイブルにしてきた本がある。

なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか? (小学館文庫)  『なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか?』
 私は、店で働き始めてからずっとプレモルと付き合って
 きたが、考えてみるとプレモルのことをまるで知らなかった。
 もちろん、ビールサーバーの管理や注ぎ方は熟知している
 つもりだったし、現場でのお客様の反応も見て来た。
 そして「超達人店」の称号もいただいたのに、
 あまりにも知識がないことに気づく。
 プレモルがなぜおいしいのか、なぜ高級ビールと
 言われているのか、他のビールと何が違うのか。
 そもそもどうやってプレモルは生まれたのか。
 超達人店にはザ・プレミアムモルツのすばらしさを多くの
 人に伝える任務もある。知らないと伝えられない。
 「プレモルで行こう!」のブログを書き始めたのは
 その任務と言うよりは、ビールに携わってきた飲食店として
 日々の地味な思いをお客様に、また同業の方に、
そしてメーカーさんに伝えたかったからなのだが、
いざ文章を書くとなると裏付けとなる知識がなければ書けないのだった。
そんなわけで「超達人店」になったのをきっかけにプレモルのこと、
サントリーという会社のことを知る努力を始めた。
そんなとき、たまたま手にして読み始めたのがこの本だった。

この本には、ビール事業が赤字だった頃から今日のプレモルの快進撃までのこと、、
というより当時携わった開発、営業、デザインの方々の大変な努力と思いが書かれてある。
何より、45年赤字を続けても信じて突き進んだプライドと、絶好調なのに商品をリニューアル、
サントリー的にはリバイタライズ(再活性化)というらしいのですが、とにかく順調なのに変える
という大胆かつ進化を惜しまない企業姿勢がよくわかる。
その後も時々確認したいことや気になることがあると、部分的に読み返したりしている。
私にとってまさにプレモルを知るためのバイブルなのだった。

この間、また気になることがあってページをパラパラとめくっていたら
あれっと目にとまる名前があった。営業推進部部長のY田K冶氏。何か聞いたことがあるような…
あれ? このくだりは何度も読んだはず。樽生キャラバンという企画を提案し、
主要都市を回ってモルツの飲用時品質の重要性を知らせるセミナーを開催したというその人。
確か写真もあったはず。パラパラ…
あああ! 中四国支社のY田支社長!
なんで気がつかなかったのだろう。
以前、四国支店のS支店長がY田支社長をお連れくださったことがあった。
その時、大変おだやかな口調で当時ビールを売るために相当な努力をされた貴重なエピソードを
語ってくださった。樽生キャラバンのこと、悲願の黒字達成を当時の社長にご報告した際、
「誰が黒字にせえゆうたんや、そんな暇があったらもっと品質向上に努力せえ」という
答えが帰ってきたこと。
本に掲載されているお写真は少しお若い頃かと思うが、店に来られた時と同じ
おだやかな笑顔。なんであのとき、気がつかなかったんだろう。

しもた! 本にサインもろとけばよかった(笑)。

そんなことも今は懐かしい思い出。
今まで本当にお世話になったS支店長がいよいよ異動になられます。
S支店長はうちにとってももちろんなのですが、県産品の推進や商店街の活性化、
文化活動など私たちの地元香川県にたくさん宝物を残してくれた偉大な方でした。
別れがあれば出会いもある。新しい出会いも嬉しいことですが、
やっぱりご縁があって出会えた方と会えなくなるのはさみしいです。
恐れながらS支店長にはサントリー四国支店の名誉支店長として「超支店長」の称号を
差し上げたいと思います。この場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
同じ時期に異動になられるOさん、Mさん、Kさん、お世話になりました。
皆さんのことも忘れません。
そしてY本新支店長、こんな店ですがこれからよろしくお願いいたします。

次回よりタイトルを「マスターズドリームがいいね!」とし、
引き続き日々の思いを綴っていきたいと思います。皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

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「超達人店」への道 vol.9 【出会い】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

支店長フレスコ2.jpgプレモルフレスコ.jpg

かくして「超達人店」になった「四角家」。
表に「超達人店」の看板、店内にポスターを貼ったとはいえ、この時点では関係者以外
そのことを知る人はほとんどいません。
Webサイトの「サントリーグルメガイド」ですらまだアップされていませんでした。
せっかちな私は、「サントリーグルメガイド」の事務局に掲載依頼のメールを出しました。
すると、すぐに対応し情報を入れてくれました。
このスピード感がとてもここちよく、ありがたいと思いました。

この日の夕方のことです。
サントリーさんからご予約のお電話が入りました。
ドン・タニシ 「サントリーのSさんからご予約いただいたぞ。なんかえらいシブい声で・・・
         かなり偉い人かいの?」
キマコ    「えっ? そんなに偉そうな感じですか?」
ドン・タニシ 「いや、偉そうとかいうんじゃなくて、なんかこう紳士的というか・・・とにかく声が・・・」

来られたSさんは、なんと四国支店のS支店長でした。
ひょえええ~。確かにめっちゃシブいお声のダンディーな紳士です。
この日、はじめてお目にかかりました。
まさに「超達人店」を認定してくれたご本人です。
丁重に「超達人店」の取り組みに賛同したことによるお礼やら何やら
おほめの言葉をいただいて、ただただ恐縮するばかり。
そんななか、支店長が「メールに感動しました」とおっしゃいます。
えっ? メール?
そう言えば、「サントリーグルメガイド」の事務局に掲載依頼をした時に、
いつも四国支店にお世話になっているということ、
社員さんに「すばらしいですね」「今月一ですね」とビールをほめて育ていていただいた
おかげで超達人店になれたという感謝の言葉を書きました。
決して社交辞令ではなく、本当にその時思ったことでした。
驚いたのは、東京の事務局あてに書いたなにげない文章が四国支店の支店長にも伝わっていた
ことでした。掲載依頼のすばやい対応もさることながら、そんな小さなことも
支店に伝え、そしてその日のうちに支店長がごあいさつにいらっしゃる。
サントリーという会社のネットワークの良さ、社員さんの愛社精神、料飲店を大切にする社風に
いたく感動したのでした。

「超達人店」認定後、S支店長や社員さんが公私ともにお顔を出してくれるようになりました。
料飲店関係の営業さんだけでなく、販売や広報、フーズの社長さんや社員さんも。
まだ香川では2店目だったし、認定後の応援やチェックという意味もあるでしょう。
こういうすぐに会社一丸で協力体制というところがすごい。
これがサントリーの社風なのか、S支店長のリーダーシップなのか。
「超達人店」になってはじめて一流企業の一流たる所以を知ったのでした。

「超達人店」になって一番の宝は、S支店長や多くの社員さんとの出会い。
応援してくれるから、もっと頑張ろうと思う。人を動かすのはやっぱり人なのだ。

特にS支店長との出会いは「四角家」を初心に戻してくれた。
店で取り扱う商品の支店長さんとお会いしてお話する機会に恵まれたことはとても
ありがたいこと。こんなに会社を愛し部下を愛し取扱店を大切にしてくれるトップはそうは
いない。サントリーの社員さんは皆さん純粋に会社を愛しているなあと思うのだが、
そのなかでも、S支店長はまさに「ザ・サントリー」。
高松の商店街を黄色に染めて角ハイボールストリートにしたかと思えば、
瀬戸内国際芸術祭に合わせてサントリー美術館展を開催したり、
香川県の県産品とプレモルのコラボをしたりと斬新な企画を次々提案、遂行する。
イベントにも飲食店にもマメに顔を出される。実に現場でよく動かれる方だ。
四国支店のトップでありながら本当にフットワークよく私たちのような小さな店のスタッフにも
気さくに声をかけ気遣いをしてくださる。
だから、がんばれる。

「プレモル」との出会いがS支店長やサントリーの社員さんとの出会いになり
たくさんのお客様との出会いになった。これからもたくさん出会えますように。
昨日は節分。暦の上では春だと言うが、まだまだ寒い。
キマコの春もまだ来ない(泣)。
タグ:超達人店
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「超達人店」への道 vol.8 【いよいよ超達人店認定へ】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

超達人店キマコイメージ.jpg

講習を受けてから、2週間ほど過ぎた。
その後、審査らしいこともなくもちろん認定の報告もなかった。
「超達人店」の申請はダメだったのかなあと不安になり始めた頃だった。

「こんにちはー、サントリーです」
前回、講師もしてくれたメンテナンスのHさんだ。
キマコ 「あれ、この前、来てくれたばっかりなのにどうしたんですか?」
Hさん 「超達人の認定証を持ってきました」
タニシ 「えっ! 認定されたんですか!?」
Hさん 「はい、おめでとうございます。この前、審査に来たでしょう?」
キマコ 「??? 審査? そう言えば、先週T部長とO部長代理がお見えに・・・。
      ええーっ、あれ審査だったんですか?」
そんなこととはツユ知らず・・・なんか最近サントリーさんよく来られるなあと思ったら、
抜き打ち審査だったんですか! 全然そんな風でなくて、焼酎の「ちょい水」っていう飲み方
教えてもらったりして・・・サプライズにもほどがあります(笑)。

何はともあれ、超達人店、認定しました。2013年6月17日のことでした。

ついに超クリーミー泡が出るコックになり、超達人店マークの入ったグラスが揃いました。
試験を受けるとか、審査を受けるとか、大人になってずいぶん経つと
そういうことがとても新鮮に思えます。
この日は「四角家」の記念日なりました。
と同時に、ステージがあがった緊張感と恐怖がわきあがってきました。
今までは「ビールがおいしいね」「きれいだね」と言ってくれたお客様。
「超達人店」のビールとして接した時にはどうでしょう?
「超達人店」と思って来られたお客様は既にハードルが上がっています。
そんなお客様に納得していただけるんだろうか、不安に思い始めました。
「超達人店」という限りは圧倒的に美しい、おいしいビールでないと
「なーんだ、たいしたことないじゃないか」と思われてしまいます。
それからはその名に恥じないようサーバーやグラスの洗浄にさらに真剣に取り組むように
なりました。実際、「四角家」のビールが本当によくなったのは、認定後だと思っています。
「おいしいから認定された」のではなく「認定されたからおいしくなった」と
言ってもいいかもしれません。
サントリーの、ビール開発から流通の末端にいたるまでに高品質を維持させようという
取り組みに今さらながら感心しつつ、そこに参加させていただけることは
とてもありがたいことです。いいものを安心してお客様に提供できるのですから。

「超達人店」になったことは「四角家」の歴史のなかで本当に大きな出来事でした。
認定から1年と7カ月。
時がたつほどに、そのありがたみをしみじみ感じながら営業する今日この頃です。
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「超達人店」への道 vol.7 【超達人店の講習とスポンジ洗浄】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

プレモル200たて.jpg またまたブログ置き去りのまま、年を越した。
 反省しきりだが、相変わらずゆっくりブログを書く時間がとれ
 ない。ありがたいことではあるが、こうしてパソコンに向き合
 うのも大事な時間だ。がんばろう。

 えっと、どこからのお話だっけ。3代目担当Kさんが
 「超達人店」の話を持って来られて・・・、そうそう。

 ほどなくして、超達人店の講習を受けることになる。
 この日がまた、ワタクシごとながら、親知らず抜歯の
 翌日だった。私はかつて親知らずを3本持っていた
 が、けんびきの度に痛むため2本は20代に抜いた。
 しかし、この1本だけは真横に生えている上、根が深く
 半分以上肉がかぶさっているため切開しなければ
 ならない。当時通院していた歯科ではできず、口腔外科
 のある病院に行く必要がある。抜いた後の体調にも影響が
 あるので辛抱できるようならそっとしておいた方がいいと
 言われ、今日まで大事にほおっておいたのだ。
ところがである。この期に及んで虫歯になってしまい、ついに抜かざるをえなくなった。
講習は後日でもよかったのだが、とにかく早く講習を受けて一刻も早く認定を受けたかったので
手術翌日だったが、お願いした。
切開手術は比較的簡単にすんだものの、大変なのはそのあとだった。
翌日から熱が出るわ頬は腫れるわ、こぶとり爺さんのようになる。
 
こぶとり爺さんで受けた講習(笑)。
講師はいつもメンテナンスをしてくださるHさん。いや、H先生。
H先生もさすがに「だ、大丈夫ですか?」とお気遣いいただきながらの講習となった。
超達人独特のビールの注ぎ方、サーバーの洗浄やガス圧管理など細かく指導を受ける。
超達人店のビールはシルクのような表面のクリーミーな泡でなければならない。
もったいないけど、ビールの表面に粗い泡がなくなるまで吹きこぼす。
こうしてできた泡は、きめ細やかで泡というよりクリームのよう。
ぜいたくで美しいビールができあがる。頭が朦朧としつつもH先生の言葉に集中する。
実際に注いだ生ビールも合格をいただいて講習終了。後日、審査に通れば認定とのこと。

講習の翌日から、究極のプレモルへの挑戦が始まった。
それまで、週に一度だったコックの分解洗浄とホースのスポンジ洗浄を 毎日にした。
正直、コックの分解洗浄はともかく、ホースのスポンジ洗浄にはあまり積極的でなかった。
水を通す洗浄は毎日しているから、それで十分きれいじゃないかと思いこんでいたのだ。
洗浄予定の日が忙しくて片付けが遅くなったりすると、今週はいっかとスルーしていた。
ところがである。
スポンジを毎日通していると、泡の下のビール部分が恐ろしくきれいになってきたのだ。
本当に恐ろしくだ。これには大いに反省した。
そうなってくると気泡が一つもつかないようグラスもさらにしっかり洗うようになる。
こうした作業をはじめてからのビールは、明らかに変わった。
カウンターから客席の生ビールを見て、その美しさに惚れ惚れするくらいだ(笑)。

コック.jpg樽コック.jpgスポンジたて.jpg
▲サーバーのコックと樽に接続するコック。この小さなスポンジが大活躍。

一週間後、こぶとり爺さんのこぶはようやくとれた。
「超達人店」の認定はまだない。


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2015年度認定証をいただきました。 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

認定証と★.jpgおいしいプレモル飲めますよ300.jpg

2014年も残りわずかとなってまいりました。
「超達人店への道」が途中になっておりますが、ちょっとブレイク。

「こんにちはー、サントリーです」
4代目担当のタケちゃんが、ごていねいに年末のごあいさつ方々、
「超達人店」の新しい認定証を持って来てくれました。
いつもさわやかで好青年なタケちゃんです。
「超達人店」も1年ごとの更新制なのですね。
2015年度もありがたく認定をいただきました。
おやっ? 今回の認定証には★が一つついてる。
ははーん、この★が並ぶようこれからもがんばってくれということですな。
サントリーさんたら、いつもながら店をその気にさせるのがうまい。
もちろん、がんばりますよ。

「超達人店」の認定をいただいてから、1年と半年が過ぎました。
「超達人店」と知って来てくださったお客様、店に来てから知っていただいたお客様、
いろいろいらっしゃいますが、まずお出ししたビールに感動して声をかけてくださることも
増えてきました。本当にうれしいことで、励みになります。
そこに置かれた時、ハッとするようなビールが目標ですから。

年内は12月30日まで営業いたします。
残り休まずがんばるぞー。


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「超達人店への道」vol.6 【ほめゴロシの7段】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

木佐さん.jpg
あろうことかブログを2か月もほったらかしにしてしまった。
「けしからん」とおしかりの言葉や「生きとったのか?」と心配の言葉を多方面からいただきまして、
意外とたくさんの方にまじめに読んでいただいていることに反省しきり。
「超達人店」の使命を果たさねばと、休日にパソコンに向かうキマコであります。

さあ、3年目にして念願の「樽生達人の店」になった「四角家餃子本舗」。
いよいよここから「超達人店」への道に進みますよ。

今回は「四角家」のビールを語るのに外せない大事な人を紹介したいと思います。
3代目の担当、Kさん。昨年、転勤になるまで3年ほど担当していただいたので
長くお付き合いできたこともあるが、なんとも愛すべきキャラクターなのである。
一言で言うと、調子がいい。いつも笑顔で憎めないキャラの持ち主なのだ。
時々、飲みに来ましたよーって雰囲気でふらっと現れて(もちろん営業に来られるのだが)、
我々と馬鹿話をして帰っていく。
このKさんが私のビールをいつも全力でほめたおすのだ。

「いやー。今日もすばらしい」
「ほんとにきれいに入れていただいてありがとうございます」
「今月一ですよ!」
「いつもいつもすばらしいですね」
「最高のビールをもう1杯お願いします」


半分お世辞とわかっていても嬉しいものです。
頭の上からアドレナリンが降ってきます。このちょっとオーバーなリアクションが聞きたいが
ために、次はもっとすごいと言わせてやろう、もっと感動させてやろうと
思いながらやってきたのです。
正直、はじめてビールサーバーと出会って教えられた通りに日々メンテナンスをし
教えられた通りに注いでいましたが、さらにもっと上をもっとっもっと上をと
私の向上心をあおってくれたのはKさんの言葉でした。
Kさんが超達人キマコを育ててくれたと言っても過言ではありません。
 ♪ブタもおだてりゃ木に登る~♪ というわけなのですが、Kさん、飲食店のお客様を
連れて来てくださることもあったので、まんざらお世辞だけでもなかったのじゃないでしょうか。

ある日のこと、そんなKさんが神妙な顔をして店にやってきました。
Kさん 「今日はちょっとお話がありまして…」
キマコ 「なんか悪いお知らせですか?」
Kさん 「そんな! またまたー。ボクが悪い話を持ってきたことがありますか?」
だって、そんな真面目な顔をしてきたことありますか?(笑)という感じなんですけど。

その時、はじめて「超達人店」のお話がありました。
「樽生達人の店」よりもさらに究極の品質管理にこだわる新しい認定制度のご案内でした。
「認定のための講習やテストはありますが、四角家さんの品質なら現時点でも申し分ないでしょう。
ただし、認定にはいくつかの条件があります」
とのこと。その条件の一部を紹介すると。
【超達人店の品質管理】
1.毎日の水洗浄+スポンジ洗浄+週一のコックの分解洗浄
2.1時間おきにガス圧チェック
3.樽は30℃以下で使用
4.1つの気泡もつかないグラスの実現
5.カニ泡ゼロの実現

同業者の方なら上の意味がよくおわかりと思います。
樽生ビールはビールサーバーの中を通って注がれますから、何と言ってもサーバーを清潔に
クリーンにすることが美味しいビールへの必須条件です。
もちろんグラスも同様。樽の温度やガス圧は生ビールの品質及び泡の品質にかかわります。

メンテナンスに関しては、現状よりさらに徹底するということで特に大変なこととは思いませんでした。
条件で一番気になったのは、カニ泡ゼロにするためのこだわりの注ぎ方でした。
樽生ビールをグラスに注ぐ際、最初少し粗い泡が出ます。
これはガス圧管理やていねいな注ぎ方でかなり抑えられるのですが、それでも少し出ます。
この粗い泡を吹きこぼして本当に細かい泡だけで表面を鏡のようにするのです。
これまでもあまりカニ泡になってしまった場合はスプーンで粗い泡をすくって泡を入れ直す
ことはありました。しかし、このやり方だと、1樽の杯数が確実に減ってしまう。
ただでさえ原価率の高いビール。ここが実は超達人店の案内に2つ返事で、というわけには
いかなかった最大の難関でした。

でも何より一生懸命やってきたことを認めてくれたことがうれしかった。
「超達人店」はその時香川県に既に1号店があり、認定されれば「四角家」は2号店と
なる。県内にこんなにたくさんお店がある中で、評価してくださるというのはありがたいこと。
「とにかくやってみましょう。よろしくお願いします」とドン・タニシ。

かくして「四角家」は超達人店認定に向けて走り出した。
きっかけは当時の担当Kさんが育ててすすめてくれたのだろう。
大阪に転勤された今でも本当に感謝している。
ちなみに、後で聞いた話ではKさん、剣道7段だと言う。その道の専門誌の表紙に
載ったこともあると言う。そう言われてでもどーしても片鱗すら見えないんだけどなあ。
本物の達人は案外そういうものかもしれない。
Kさ~ん、お元気にしてますか~?

次回、ついに認定なるか!
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「超達人店への道」vol.5 【「四角家」樽生達人の店になる。】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

樽生達人の店認定証.jpg
▲左から2010年、2012年の認定証、超達人店の認定証。あ、最初の「樽生達人の店」認定証にもS支店長のお名前が。
ありがたや~。


嬉しいこと、悔しいこと。
いろんなことを経験しながら開店して2年が過ぎた。
そんな折、ネットで「樽生達人の店」の存在を知る。
そう言えば、他のお店に貼られてるポスターで見たことがあった。
でも、その時までは単にサントリービールを扱う店用のキャッチコピーかなあ、
くらいにしか思っていなかった。
「サントリーグルメサイト」というwebサイトに紹介されていた「樽生達人店」のリストには
「四角家」は入ってなかった。そうか、認定してもらわないと樽生達人の店じゃないんだ。

そこで、社員さんが来られた時に聞いてみた。
キマコ   「樽生達人の店というのはどうしたらなれるんですか?」
社員さん 「講習を受けて認定されればなれますよ。四角家さんなら問題ないですよ」
キマコ   「いつもそうやって誉めてはいただくんですけど、なれてないのは
       月の樽生数もかなりさばかないとダメなんですか?」
社員さん 「それは関係ないですよ。ビールの品質だけです。四角家さんなら大丈夫ですよ」

社員さんが来られるたびに同じやり取りが何度か行われたが話が進まない。
何がダメなんだろうと思っていたある日、突然、いつもメンテナンスをしてくれてる
HさんとO部長さんが飲みに来てくださった。
それからしばらくして、いつもと違うタイミングでHさんが来られた。
Hさん   「おめでとうございます。樽生達人の店認定されました」
キマコ   「えっ、ホントですか! いつの間に!」
Hさん   「この間来た時が、実は認定のテスト(最終確認)だったんです」

なんと。抜き打ちのテストだったとは。
この日、認定証をいただくとともに、改めてHさんから「樽生達人の店」として大事なことを
ご指導いただきました。その大事なこととは。
樽生三原則+こだわり2ヶ条
【樽生三原則】
1.毎日の洗浄 一日の終わりに使ったサーバーやホースに水を通して洗浄します。
2.適正なガス圧 その日の室温に合わせ適正なガス圧に合わせることで細かい泡を作ります。
3.静置冷却 樽に振動を与えず低温で管理します。
【こだわり2ヶ条】
1.きれいなグラスと自然乾燥 専用のスポンジでしっかり洗い自然乾燥させます。
2.おいしい樽生の注ぎ方 7:3の黄金バランスで、カニ泡をたてないようにていねいに注ぎます。 

こうやって書くと、なんだ当たり前じゃんと思いますよね。
そうなんです。全然特別なことじゃないんです。 朝起きて歯を磨くのとおんなじくらい当たり前。
でも、それをどう解釈するかでお店によって差が出てくるのかもしれません。
上の5つは、これはそんなに気にしなくてもという項目はひとつもない。
基本中の基本で全部大事な項目。難しいことは一つもないので私にもできました。
毎日の習慣になるとめんどうにも思わないのです。
こんなめんどくさがりやの私でも! 
だから、サントリーの営業さんには声を大にして言いたい。
「最初が肝心!」って。
新店さんには最初にサーバーの使い方、洗浄の大切さを厳しく指導してあげてください。
私は最初にそれを教そわったおかげで、めんどうだと思わずに毎日やってこれました。
そういう意識を持たせてもらったことが本当にありがたい。
この基本を毎日するだけでかなりビールの品質は保たれるはずです。

これでやっと「四角家」もどうどう「樽生達人の店」。
2010年、ここからさらに次のステージへ。
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「超達人店」への道vol.4 【ビールの営業】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

かばん.jpg
アルコールを提供するお店と生ビールの契約をすることは
ビールメーカーとってとても重要なことなんだろうと思います。
なんと言っても、ビールは店のドリンク売り上げの核です。
樽生ビールを扱うとなると、その銘柄ごとにサーバーが必要です。
ですから、ホテルやある程度大きい規模のお店でなければサーバーを何台も並べる
わけにはいきません。ですから、小さいお店においては1銘柄すなわち1社とだけ
樽生ビールの契約をしているケースが多く、しかも一度契約をするとそうそう変えたりはしない。

うちみたいな小さな店でも、既にサントリーさんと契約していることが
わかっていても、他のビールメーカーさんも営業に来られます。
そんななか、今回は対照的な営業スタイルで今でも忘れられないA社さんとB社さんのお話を
書こうと思います。

お客様の少ないある日のこと。ガラガラと玄関が開きまして「すいませーん」と元気な声が。
「はい、いらっしゃいませ!」と飛んでいきますと、若いサラリーマンのお客様が
お一人立っておりまして、外に何人か待っておられるようです。

お客様 「今から8人行けますかー?」
キマコ  「行けますよ。どうぞー」

結構暇な週初め。待ちかねたお客様です。しかも8名様とは。顔がほころびます。
ところがです。

お客様 「えっと、ちなみにビールは?」
キマコ  「はい? ビールはサントリーさんのプレミアムモルツですけれど」
お客様 「あー、・・・だけですか。×××(A社の銘柄)とかは・・・?
キマコ  「プレミアムモルツだけです」
お客様 「あ。そうですか。すいません」

8人いけると言ったのに帰ろうとします。
ビールの銘柄が好みでないだけで帰っちゃうの? 
8名様の飲みそうなお客様を逃してしまった。ガックシ。
と思った瞬間、私見逃しませんでした。
そのお客様のスーツのジャケットにA社の社章がついているのを。
キマコ  「あ。A社さんですか。それじゃあしょうがないですよね。申し訳ございません」
ちょっと気まずそうに帰って行かれました。

ビールメーカーのメンバーで来られて、はじめから自社の取り扱いがないのを
知らないはずはありません。もし社章に気がつかなければ、
A社のビールを扱ってないために8名様のお客様を逃してしまったと
一瞬は思ったでしょう。それがきっかけで、生ビールを変えようかとか
せめて瓶だけでも置こうかとか思う店もあるかもしれません。
飲食店はまさに水もので、お客様がたくさん来られる日もあれば、そうでない日もあります。
毎日が必死だから、そんなことがあれば不安に思う店もあるでしょう。
でも、そういう飲食店の気持ちを弄ぶような営業の手法は許せません。

またある日のこと。
新規の女性のお客様からご予約のお電話が入りました。
「明日、19時に4名で3000円のコースをお願いします」

ところが、その2時間後、再びその女性からお電話が。
お客様 「先ほど予約した○○ですが、ちなみにビールはどこのビールですか?」
タニシ  「・・・? サントリーです」
お客様 「ああ。そうなんですか。A社はないんですか?」
タニシ  「はい、すいませんが」
お客様 「一緒に来られるお客様がどうしてもA社のビールでないといけないんで、
      仕入れてもらえますか?」
タニシ  「は? それはちょっと・・・」
お客様 「そうですか。ではキャンセルでお願いします」

これはたまたまA社ファンのお客さまでしょうか。
店に扱ってない商品を扱ってほしいとお願いしなければならないほど
その方にとってそのビールが大切ならば、そもそもA社のビールを扱っているところで
店選びをすると思うし、予約の時点で確認するだろう。

私自身、営業の経験があるから、自社の商品や会社を良く思ってもらおうと
サクラ的なことをする場合もある。一般客として取引先のお店に行って、
さりげなく自社の商品をほめたり、先方が仕事を出してよかったなとか
効果があったなと思えるようなことを言ったりしたこともある。
でも、こういうことはあくまでも取引先の方が言われて気持ちよくなることに限る。
会社の営業手法なのか、それとも一部の社員さんによるものかわからないけれど、
いずれもA社の印象を悪くしたのは言うまでもない。
ちなみに名刺を持って、普通に営業に来られたことは一度もない。

一方、新製品が出るタイミングでサンプルを持って時々営業に来られていた
B社の部長さん。
「わざわざ来てくださって申し訳ないんですけど、ビール変える予定はないんです」
と言っても、定期的に顔を出してくれていた。今でも印象的だったのは
毎年新年の挨拶回りにと言ってサンプルを持ってきてくださるのだが、
このサンプルの瓶ビールが今まさに飲み頃ですよと言わんばかりの冷え具合。
他にもたくさんお店を回るんだろうに、どうやって保管してたんだろうと思いながら
感心しておりました。こんな気遣いをしていただいたにもかかわらず結局取引は
なかったのですが、今でもこのB社の部長さんの誠意ある姿勢は印象に残っています。

ビールメーカーにかかわらず、すべての営業は信頼関係で成り立っていると思います。
売り上げを上げるためにいろんな作戦やかけひきはあって当然。
でも、上記のような不愉快な手法は許されるものではなく、
会社にとっても大きなマイナスだということを声を大にして言いたい。
うちの店が「ザ・プレミアム・モルツ」をずっと提供しているのは、もちろん
「プレモル」が抜群においしいからですが、それだけではありません。
樽生ビールの品質管理において流通の末端まで配慮をするサントリーの姿勢に
現れるように、社員さんがみなさん誠実だからです。
会社が人を育てるのか、人が会社をつくるのか。
何もとりえなく不器用なワタクシですが、
お客様にも、協力業者様にも誠実でありたいと思う今日この頃です。
タグ:超達人店
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「超達人店」への道 vol.3  【ビールの銘柄】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

プレモルサイコーおじさん.jpg

2005年にモンドセレクション最高金賞を受賞した「ザ・プレミアム・モルツ」。
2007年末、「四角家」を始めた頃には既に全国的に人気急上中だったと思います。
すすめられて始めた「プレモル」でしたが、お客様からのお褒めの言葉や
雑誌やテレビで高級店での取り扱いが多いことなどを知り、
日に日に「プレモル」を提供していることを誇りに思い始めた頃のことでした。

「四角家」も地元テレビに取り上げていただき、放送日からお客様がどんどん来られるように
なりました。

そんなある日、初めて来られた年配のお客様がメニューを見るなりおっしゃいました。
お客様 「アサヒはないん?」
キマコ  「はい。ビールはサントリーさんのプレミアムモルツだけです」
お客様 「・・・。ほな、それでえええわ」

ある日も・・・。
お客様 「ビールはこれだけ? キリンは置いてないん?」
キマコ  「はい、サントリーさんだけです」
お客様 「ふーん。焼酎の水割り」

年配のお客様に限って、そんなことが結構ありました。
それぞれ好みはあるでしょうが、誇りを持ってお出ししているものを否定されるのは
正直あまり気持ちのいいものではありません。

さすがにちょっと凹みました。
ビールと言うのは、特に年配の方には今まで飲んでこられた好みの銘柄があって、
それしかダメみたいなところがあるんですね。より美味しいのが出たから
じゃあ飲んでみようかとはならない。たぶんずっと変わらない。
ジャイアンツファンが、マー君(田中将大投手)がどんなに活躍したからって
明日から楽天ファンにはならないのと同じです。
「プレモル」はまだまだマイノリティーなのかなあ・・・。

でもね、「四角家」の店主(ドン・タニシ)はちょっとヘンコツなのです。
うちは高級店ではないけれど、小さいながらもそれなりにこだわった上質なものを
提供したいというポリシーがある。だからビール市場でどれだけのシェアだとかいうのは
関係ない。それよりもうちの餃子や焼豚を気に入って食べてくれるお客様が
納得して飲んでくれるビールがいい。例え少数派だったとしてもそこはこだわりたい。
だから提供するビールを変更しようと思ったことは一度もない。
当時、サントリーの2代目の営業Yさんも時々顔を出してくれてたし、
定期的にメンテナンスに来てくださるHさんはとても真面目な方で、
開業以来今もずっとていねいにみてくださっている。そういう意味でも不満はなかった。

それに何よりその頃まだまだ数は少なかったが、
「ほー。ここはプレモル入れとんや~。やっぱりうまいなあ」
というお客様がいらした。こだわっているところをそんな風に言われると、嬉しい。

だからうちはずっと「プレモル」

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「超達人店」への道vol.2  【生ビールと瓶ビール】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

生と瓶改定.jpg

オープン当時、ビールに関してまるで無知だった私は、
教えられた通りに毎日サーバーの洗浄をし、教えられた理想の注ぎ方を目指しました。
サントリーの営業さんが来て「きれいに淹れていただいてありがとうございます」
とほめていただくようになると(お世辞もあったと思いますが)、
だんだん自信を持って注げるようになりました。

当時から基本的にビールは「ザ・プレミアム・モルツ」の生ビールだけをおいていました。
瓶ビールはメニューには書かず、瓶の希望があればお出しておりました。
その頃の私は、瓶ビールと言うのは家でも飲めるし、飲食店に来たら生ビールの方が
絶対においしいと信じて疑いませんでした。
ところが、生ビールがあるのにあえて瓶ビールを注文するお客様がいらっしゃるのです。
何でかなぁ。お二人で来られてあまり飲まないならともかく
瓶ビールを追加されるのなら最初からおいしい生ビールを注文すればいいのにと
不思議に思っていました。
ある時、はじめて来られた男性のお客様が、注文の際、こんな質問をされました。

お客様 「ビールは誰が淹れるん? あなた?」
キマコ  「はい。私がお淹れします」
お客様 「えーと、じゃあ瓶ビールを2本」
キマコ  「・・・。ありがとうございます。少々お待ち下さい」

なぜあえて生でなく瓶なのか、さらになぜ淹れ手を聞くのか、まったくわからず
もやもやする日々。10日くらいして、またそのお客様がいらっしゃいました。

お客様 「餃子おいしかったからまた来たよ。瓶ビールちょうだい」

どうしても気になって、ワタシ思い切って聞きました。
キマコ  「お客様、お聞きしてもよろしいでしょうか? 
       どうして生でなく瓶ビールをご注文されるんですか?」
お客様 「生ビールはね、店によって当たりハズレがあるんだよね。瓶は変わらないから」
そこで、ワタシ思い切って言っちゃいました。
キマコ  「うちの生ビール、おいしいですよ。毎日私がサーバーちゃんと洗浄してていねいに
       淹れてますから(笑)!」
お客様 「そう(苦笑い)。じゃあ今日は生お願いしようか」
キマコ  「はい! ありがとうございます!」

そのお客様は何杯かおかわりしてくれ、それ以来生ビールを注文してくれるようになりました。
きっとそのお客様は、店主でなくこのねーちゃんが淹れるんなら
うまいビールは出てきそうにないなあと思ったのでしょう。
このことがあって、最初に教えられたサーバーの清掃の仕方でビールの味が変わる
の意味がはじめてわかったのでした。

その人の飲み方や好み、その時のシチュエーションで瓶ビールをチョイスすることは
あって当然だと思います。でも、「生で失敗したくないから」と理由で瓶ビールを選択される
というのは、悲しいことです。ずっと後になって、そういうお客様が結構多いことを知りました。
私たち飲食店はもっと頑張らなければいけません。

生ビールの管理の大切さをお客様から教えられた一件でした。

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