SSブログ

「超達人店」への道vol.2  【生ビールと瓶ビール】 [超達人キマコの「プレモルで行こう!」]

生と瓶改定.jpg

オープン当時、ビールに関してまるで無知だった私は、
教えられた通りに毎日サーバーの洗浄をし、教えられた理想の注ぎ方を目指しました。
サントリーの営業さんが来て「きれいに淹れていただいてありがとうございます」
とほめていただくようになると(お世辞もあったと思いますが)、
だんだん自信を持って注げるようになりました。

当時から基本的にビールは「ザ・プレミアム・モルツ」の生ビールだけをおいていました。
瓶ビールはメニューには書かず、瓶の希望があればお出しておりました。
その頃の私は、瓶ビールと言うのは家でも飲めるし、飲食店に来たら生ビールの方が
絶対においしいと信じて疑いませんでした。
ところが、生ビールがあるのにあえて瓶ビールを注文するお客様がいらっしゃるのです。
何でかなぁ。お二人で来られてあまり飲まないならともかく
瓶ビールを追加されるのなら最初からおいしい生ビールを注文すればいいのにと
不思議に思っていました。
ある時、はじめて来られた男性のお客様が、注文の際、こんな質問をされました。

お客様 「ビールは誰が淹れるん? あなた?」
キマコ  「はい。私がお淹れします」
お客様 「えーと、じゃあ瓶ビールを2本」
キマコ  「・・・。ありがとうございます。少々お待ち下さい」

なぜあえて生でなく瓶なのか、さらになぜ淹れ手を聞くのか、まったくわからず
もやもやする日々。10日くらいして、またそのお客様がいらっしゃいました。

お客様 「餃子おいしかったからまた来たよ。瓶ビールちょうだい」

どうしても気になって、ワタシ思い切って聞きました。
キマコ  「お客様、お聞きしてもよろしいでしょうか? 
       どうして生でなく瓶ビールをご注文されるんですか?」
お客様 「生ビールはね、店によって当たりハズレがあるんだよね。瓶は変わらないから」
そこで、ワタシ思い切って言っちゃいました。
キマコ  「うちの生ビール、おいしいですよ。毎日私がサーバーちゃんと洗浄してていねいに
       淹れてますから(笑)!」
お客様 「そう(苦笑い)。じゃあ今日は生お願いしようか」
キマコ  「はい! ありがとうございます!」

そのお客様は何杯かおかわりしてくれ、それ以来生ビールを注文してくれるようになりました。
きっとそのお客様は、店主でなくこのねーちゃんが淹れるんなら
うまいビールは出てきそうにないなあと思ったのでしょう。
このことがあって、最初に教えられたサーバーの清掃の仕方でビールの味が変わる
の意味がはじめてわかったのでした。

その人の飲み方や好み、その時のシチュエーションで瓶ビールをチョイスすることは
あって当然だと思います。でも、「生で失敗したくないから」と理由で瓶ビールを選択される
というのは、悲しいことです。ずっと後になって、そういうお客様が結構多いことを知りました。
私たち飲食店はもっと頑張らなければいけません。

生ビールの管理の大切さをお客様から教えられた一件でした。

タグ:超達人店
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 1

コメント 2

サントリー実藤

生ビールの飲用時品質の向上は、我々ビールメーカーにとっても一番の課題です。料飲店の皆さん全員が、キマコさんと同じ気持ちで生ビールを提供して頂くといいんですけど!
キマコさんの「超達人への道」は、四国支店の部下達全員に紹介しました。連載を期待してます!
by サントリー実藤 (2014-06-09 06:37) 

白メダカジュリー

いつも読んでいただきありがとうございます。お恥ずかしい限りです。
「プレモル」が「サントリー」の社員さんが何年もかけてこだわって開発し、苦労して今日までに育てて来た商品だということを最近になって知りました。だから私ども料飲店が担う役割の重さを改めて感じています。
いつかそれなりに真剣に自分が取り組んできたことを誰かに話したいなと
思っていたことが「超達人店への道」になりました。読んで間違っていることや、アドバイスがありましたらぜひお願いします。
超達人キマコ、まだまだ道半ば、修行中であります。
by 白メダカジュリー (2014-06-09 17:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

3setbanner140.gif
プレモルバナー.jpg
本場さぬきうどんは合田照一商店
四角い餃子を注文する

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。