第2章 ひたすら焼豚の日々。 [「焼豚ロール」開発物語]
タニシ 「おっ! うまそうなロールケーキやの。アツッ! 熱いやないか!」
キマコ 「焼豚ロールで遊んでみました」
タニシ 「てっきり『ルーヴ』の新作かと思た。ほっほー。うちの焼豚ロールか。」
キマコ 「はい。オーブンで5分ほど焼いてみました」
タニシ 「これナイフいらんのー」
焼豚の試作ができて以来、ドン・タニシとキマコさんの焼豚を食べ続ける日々が始まった。
見た目はどうか。
他社のと比べてどうか。
一度冷凍したものはどれくらいで解凍できるのか。
開封後、どれくらいおいしく食べられるのか。
どんな調理が向いているのか。
長く愛される味になのか。
お客様が食べやすい、扱いやすい商品になっているか。
世の中に数ある焼豚の中で、一番おいしいと言える、一番感動を与えられるものになれるか。
今一度、開発というより、お客様の気持ちになって食べてみることにしたのだった。
●A社 ●B社 ●焼豚ロール
例えば、他社のと切り身を比べてみる。
A社は豚バラを通常の3分の1くらいの厚みにカットしてから巻いているので、
切り口はロール状というより一つの塊のよう。
B社は巻かずに小さくカットしたものをひもで巻いて煮てるから豚バラそのものの形。
焼豚ロールは豚バラの1枚肉をそのままロールケーキと同じような要領で巻き込んであるから、
見た目もロールケーキみたい。よしよし。見た目の特徴も出せてる。合格!
まず1週目は、そのまま切ってご飯のおかずに食べる。せいぜいタレをつけてみるくらい。
ひたすら毎日毎日食べる。冷蔵庫に入れていて3、4日しても常温に戻れば柔らかい。
さすがにこうも毎日焼豚が続くといい加減飽きそうなものなのだが、
不思議なことに、毎日食べても、やっぱり今日もうまいと思う。
これって本当にうまいってことだよね。さすが、たかちゃん。
翌週はいろいろアレンジして食べてみる。
あったかいご飯に貝割れや水菜と一緒にのせて、焼豚丼。
チャーハンに野菜とともに刻んで入れて、さらにスライスをのっけた焼豚チャーハン。
しょうゆラーメンにのせて焼豚ラーメン。
ラーメンなんかは切ってのせるだけでとろとろチャーシューになる。
インスタントラーメンでも超豪華なラーメンに!
【焼豚アレンジメニュー】
●焼豚丼 ●焼豚チャーハン ●焼豚ラーメン
いろいろ調理してみたけど、正直、そのまま食べるのが一番うまい。と、確信したのだった。
通常、大きい焼豚だと、最後は食べ飽きちゃってチャーハンにしたり別のおかずに
しがちなんだけど、「焼豚ロール」はアレンジする前になくなっちゃうかもしれない。
キマコ 「いやー。おかげでちょっと私も丸くなってしもたー。これは罪作りな焼豚だ」
タニシ 「丸くなったんは、きのこの山のせいやろ」
キマコ 「あ・・・。この間新製品一人で食べたのまだ根にもっとる」
焼豚ロール、ボスにももっと食べさせますか? 違う意味で丸くなるかも。
タニシ 「メダカー。これ以上人間丸なったらどーすんや。仏様になるでないか」
「焼豚ロール」完成間近! いよいよ工場で最終打合せです。
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